カーテンの隙間から外を覗いたのは、子どもの声がしたからだ。
ちょうど夕刻で、水がはじけるようにあの子どもたちは声を上げ、少し伸びた影を踏み合って、僕の家の前を通り過ぎた。
もう少し、あと少しで「3」を破こう。
たとえばあと3回、車が外を通れば「3」を破いてしまおう。ちょうど数字も同じだ。
カーテンの隙間を、光がひとつも漏れないよう閉じてしまい、車の往来の音に耳を澄ました。
睡魔に襲われて二時間ほど意識を失くした。だからもう、車は五回くらい通ったものだとして、ぼくはテーブルに置かれた「3」とマジックで書いてあるだけの紙をびりびりに破いて、目の前に放り投げた。
翌日、光の音楽を聴いた。それは夢のなかのことだった。
毛布にくるまり、何度も寝返りを打って、その音を聴こうとしてみたが、聴こえなかった。
初出:pixiv? 2014年頃?