About

簡易プロフィール

1991年高知県高知市に生まれる
1992年「ホットケーキ」と「とけい」のちがいを母親に説明する

ご挨拶

作家の神谷京介と申します。東京都の端のほうに住んでいて、ふだんは本を読んだり、寝たりしています。このサイトは私が執筆した小説作品を収集し、整理し、公開することを目的に開設しました。

「小説」は私の人生でもっとも長い付き合いです。おそらくそう言っても過言ではないと思います。高校生のときに書きはじめて以来のことが今でもつづいているわけで、飽き性な私にとって、そのときどきで出会った人やモノや仕事や趣味、そのあらゆるどれよりも長くつづいています。

ただ、このサイトを見ていただければなんとなくわかるかと思いますが、だいたい私は一冊の本になる程度の長さの作品を書き下ろすのに数年かけたりしています。

作家には速筆タイプと遅筆タイプがいるそうです。毎年のように新作書籍を出版したり、毎日のように投稿サイトにアップしたりする猛者は前者と呼ばれることが多くて、逆に後者だとやはり数年に一度、もしくは十年とか二十年に一度やっと新作が出るみたいなことになってしまいます。私はやや遅筆というか、むらがあるタイプだと思います。毎日のように新作を書ける日々がつづいたかと思えば、一年二年くらい一文字も書かない時期もありました。総量はとても十数年のキャリアとは思えないものです。

なぜだろう。たしかに私はずっと「小説」と付き合っているという自覚があるけれど、毎日ずっと「小説」のことを考えているわけでもなかったりする。書くことは苦痛とまでは言わないものの、楽しいというのともちがう。快楽の度合いでいうとゲームしてるときのほうがよほど楽しい。義務が課せられているわけでもない。ただ、かえりみれば、書き残したそれらと、そこにいて呼吸をしていた人たちが、とてもいとおしいと感じます。

小説は日記とはちがいますが、書く者が一人の人間である以上、その者の器が感じたことや考えていたことが反映されることは避けられないという点では少し似ています。私の中にはずっと、鏡の向こう側の透き通った世界があり、そちらを覗くことはつまり、回りまわってこちらが生きてきた人生を感じることにもつながります。この実に回りくどく倒錯した作業形式は「小説」にしかなく、私は鏡の向こう側を通してしかこちらを見れないほど臆病でもあり、鈍感でもあるのでしょう。

だから私には小説が合っているのかなとも思います。

かえりみることが好きです。私には回帰癖というか、回想癖みたいなものがもうずっとあり、なぜか一日に三回くらいは「かえりたい」と無意識につぶやいています。どこに帰りたいのかは本人にもちゃんとわかっていません。幼いころの記憶かもしれないし、もっとずっと以前かもしれません。未来を含めたこの「記憶」との付き合いもまた長く、こちらとセットという意味で、「小説」とは長い付き合いなのです。仕事とか趣味とか、人に差し出せるなにかにカテゴライズされるようなものでもなく、かといって「人生そのものです」と言い切ってしまえるほど事態は単純ではなく、でもやはり人生や世界そのものを写し取る巨大ななにかではあるから、やめたり捨てたりする選択肢もないまま、気がつけばここまで来てしまいました。

このサイトでは可能なかぎり過去のすべての作品を、発表していないものも含めて掲載しています。また、今後執筆する未来の作品の執筆、編集のようすも記録していきたいと考えています。いわば個人全集のようなコンセプトです。私にとって、このサイトがあれば私の人生を総覧するのになんら困ることはないな、と思えたのなら、それはこのサイトの成功を意味します。

実はこの文章を書いている時点で、このサイトは制作途中です。だけど、おそらくこのサイトが完成したら「これで人生を総覧できるぞ」みたいなちょっとした安心感を私は得られるはずです。私は、この気持ちをみんなにもちょっと味わってほしいな、ともちょっと思っています、今。

小説を書くことやWEBサイトを作ることを勧めているのではなく、自分なりの「人生の総覧」をしてみてはいかがでしょうか? という意味です。公開はしてもしなくてもかまわないと思います。たとえば今まで書いた日記帳を一か所にまとめるとか、写真を整理してみるとか、そんな感じです。

私は前に進んでいくことは苦手ですが、うしろをふりかえることは少し得意です。もしも、ご自分の人生をかえりみてみたい、と思ったならぜひご連絡ください。どんな方法がよいのか一緒に考えてみます。

2024.06.14
神谷京介